2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

、私のなかにたしかな変わらないものなんてほとんどないようだった。今日は月曜日だった。だから本来、週末だけを憲吾さんとの家で過ごすというお姉ちゃんは実家に帰っているはずだったけど、もしかしたら家に留まったままで、憲吾さんの仕事終わりにクリス…

「ねえ、じゃあさ、まほろ、とっちゃえばいいじゃん」 まほろ、と誰かに名前を呼ばれるたび、自分のそれは頼りなく思える。安直だけれど、クッキーが舌にのせた瞬間ほろほろ崩れていくのとか、ミルクティーに入れた四角いシュガーがカップの底に落ちていきな…

それは週明けの月曜日であって、梅雨が連日降り続いていたある夕刻のこと、いや、そろそろ夜に足を踏み入れたといっていい時分のことだった。高校の授業を終えてからもう大分の時間が経っていたけれど、私は紺色のスカートと白いシャツという津々浦々ありふ…