2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

お風呂から上がって部屋に戻る途中にリビングを通るとアッくんとお父さんがお酒を飲んでいた。「お先です、お風呂ありがとうございました。」日本酒のビンがダイニングテーブルの上にある。アッくんなんだい君は私が日常にまみれて入浴している時にお父さん…

お風呂から上がって部屋に戻る途中にリビングを通るとアッくんとお父さんがお酒を飲んでいた。「お先です、お風呂ありがとうございました。」日本酒のビンがダイニングテーブルの上にある。アッくんなんだい君は私が日常にまみれて入浴している時にお父さん…

夜中の十二時を回っているリビング、外は真っ暗で寒いだろうに、照明を明るくして暖房を効かせた部屋は二月の夜らしくない。目を瞑っていても、頬骨に拳がぶつかってくる感触がある。けれど痛くない。いつかの私はそれを痛みとして感じたかもしれなかったけ…

テルくんの家は四階建てぐらいのちんまりしたマンションの二階にあり、端的に言って汚かった。玄関から部屋までの廊下と表現していいものか短い通路を歩いている時はまだマシだったけど、ベッドやら机が置かれている部屋の扉を開けられるとそこにはお酒の缶…

テルくんの家は四階建てぐらいのちんまりしたマンションの二階にあり、端的に言って汚かった。玄関から部屋までの廊下と表現していいものか短い通路を歩いている時はまだマシだったけど、ベッドやら机が置かれている部屋の扉を開けられるとそこにはお酒の缶…

床が少しヌルヌルしているのが気になったけど文句は言えまい。一日ぶりにシャワーを浴びてシャンプーをするのはとても人間的だった。シャンプーインリンスはラブホテルに置いてあるようなピンク色で安っぽい香りがしていたけど、ご飯を食べて身体を洗うなん…

床が少しヌルヌルしているのが気になったけど文句は言えまい。一日ぶりにシャワーを浴びてシャンプーをするのはとても人間的だった。シャンプーインリンスはラブホテルに置いてあるようなピンク色で安っぽい香りがしていたけど、ご飯を食べて身体を洗うなん…

逃亡決行の今日は週の中でも中途半端な位置づけの木曜日で、ワードで素人が作ったっぽいしょぼいメニューの紙には木曜日限定、夜定食120円なんていうとんでもメニューがあって目玉が丸くなる、嘘、目玉を丸くする元気なんてない。朝食べてから何も食べてなか…

逃亡決行の今日は週の中でも中途半端な位置づけの木曜日で、ワードで素人が作ったっぽいしょぼいメニューの紙には木曜日限定、夜定食120円なんていうとんでもメニューがあって目玉が丸くなる、嘘、目玉を丸くする元気なんてない。朝食べてから何も食べてなか…

翌日。アッくんが朝、研究室に行く前に市役所に行って婚姻届を取りに行ってくれた。私のバイト終わりには結婚指輪を買いに行く約束をしていた。婚姻届は今日には書き終えられないから出すのはまた後日になるけど早いうちにねって。湯船にお湯が溜まっていく…

翌日。私のバイト終わりに指輪を買いに行く約束をしていた。アッくんが研究室に行く前に市役所に行って婚姻届を取りに行ってくれるという約束をしていた。湯船にお湯が溜まっていくみたいだな。逃げてしまおうという私の決意は朝には薄かったのが時間が進む…

「ボクはもうモモを殴らないよ。」天井を向いて二人の人間が並んでいる。チラリチラリとアッくんに目をやりたいのに隣にいる人がアッくんじゃなくなっていたら怖いから顔を確かめることができない。なんでそんなこと言うの?本当なの?心の底からそう思って…

お風呂から上がって部屋に戻る途中にリビングを通るとアッくんとお父さんがお酒を飲んでいた。「お先ですお風呂ありがとうございました。」日本酒のビンがダイニングテーブルの上にある。アッくんなんだい君は私が日常にまみれて入浴している時にお父さんと…

「まだボクは学生だから不安かもしれないけど、一緒に住むってことなら今と変わらないからさあ、早く籍を入れようね。明日は指輪を買いに行こうね。」正直、結婚しようなんてアッくんの妄言だと思っていたのだけど、アッくんはその週末に私を車に乗せて実家…

「まだボクは学生だから不安かもしれないけど、一緒に住むってことなら今と変わらないからさあ、早く籍を入れようね。明日は指輪を買いに行こうね。」正直、結婚しようなんてアッくんの妄言だと思っていたのだけど、アッくんはその週末に私を車に乗せて実家…

「まだボクは学生だから不安かもしれないけど、一緒に住むってことなら今と変わらないからさあ、早く籍を入れようね。明日は指輪を買いに行こうね。」正直、結婚しようなんてアッくんの妄言だと思っていたのだけど、アッくんはその週末に私を車に乗せて実家…

ドラックストアのアルバイトの良いところはマスクをしていて不自然じゃないところだ。アッくんは時々私を殴り頬が腫れ上がるから隠すためにマスクを纏う、その端から黒紫が覗いてしまうんだけど。かくれんぼ隠れられないお尻を出してかくれんぼする子、私は…

夜中の十二時を回っているリビング、外は真っ暗で寒いだろうに、照明を明るくして暖房を効かせたこの部屋は二月の夜という感じがしない。目を瞑っている。頬骨に拳がぶつけられる感触がある。痛くない。いつか私はそれを痛いと思っていたかもしれないけど、…

夜中の十二時を回っているリビング、外は真っ暗で寒いだろうに、照明を明るくして暖房を効かせたこの部屋は二月の夜という感じがしない。目を瞑っている。頬骨に拳がぶつけられる感触がある。痛くない。いつか私はそれを痛いと思っていたかもしれないけど、…

夜中の十二時を回っているリビング、外は真っ暗で寒いだろうに、照明を明るくして暖房を効かせたこの部屋は二月の夜だという感じがしない。目を瞑っている。頬骨に拳がぶつけられる感触がある。痛くない。いつかの私はそれを痛いと思っていたかもしれないけ…

うちの県には高校が五つしかない。高校生になった私はその中でも一番偏差値の低い私立高に入学して、一年生の冬を過ごしていた。昼休みは私を半透明にするようだった。クラスの大半は髪を明るく染めて濃い化粧をきめた女の子たちと、それと同類の男どもであ…

昼休みの教室は孤独を浮かび上がらせる。 うちの県には高校が五つしかなかったけれど、一番偏差値の低い私立高に入学した私は一年生の冬を過ごしていた。クラスの大半は髪を明るく染めて濃い化粧をきめた女の子たちと、同類の男どもであって、アニメや漫画や…